家庭の価値

 その週の初め、私は文亨進氏にインタビューし、週末の礼拝のためにリハーサルをしていた教会の聖歌隊のメンバーたちと会った。
 彼らは真の愛について特別に作られた歌を歌っていたが、これは統一教会の信仰においては非常に重要な伝統的家庭の価値を反映するものだ。
 しかし、私が参加した礼拝は、この運動独自の賛美歌によって始まったのではなく、米国で作られた現代の主流キリスト教の歌であった。
 そのような音楽の採用は、文亨進氏によって採用された驚くべき潜在的革新の一つにすぎない。
 統一教会のメンバーは、恐らくその結婚へのアプローチによって最も有名であろう。
 文鮮明師によって行われる、膨大な数のカップルが一度に結婚する合同結婚式の写真は、過去数十年にわたって世界中の新聞読者たちの興味をかきたててきた。
 しかし教会生活のこの分野においても、変化の兆しが漂っている。
 礼拝の後、私は1982年に結婚したフランクとエリザベスに会った。彼らは結婚するまで互いに一度も会ったことがなかったという。
 彼らは二人とも1982年に「マッチングの儀式」に参加するためにソウルに飛んだ。そこでは文鮮明師自らが、どの男性とどの女性が結婚するかを選ぶのである。
 フランクは、その日自分が「とても緊張していた」ことを覚えていると言ったが、同時にまた自分の代わりになされるその選択が正しいものであるという強い確信を持っていたとも語った。
 「私たちはその瞬間の文師の判断を信頼するという価値観によって育てられたので、基本的に相手を受け入れる準備はできていました」と彼は言った。
BBC5